2010年03月15日 3月15日月曜日 曇り
3月15日月曜日 1時限、2時限
◎出来ていない人は頑張って刺繍する
◎出来た人は見学かもっと沢山する
伝統文化コース 「刺繍実技」9日目
授業が終わり、来年度の打ち合わせを済ませる頃には小さな雨が降ってきました。
とうとう最終日がやってきました。
今日中に刺繍台から生地を外し、この部屋を出なくてはなりません。
そのつもりで先週から最後の追い込みかけ、全員なんとか完成しました。
たいしたものです。
道具に頼るところがなにもないのが「刺繍」です。
ただモクモクと刺繍台の前で作業をしなくては進むことが出来ません。
「あしらい刺繍」という刺繍の仕方で友禅模様の一部にアクセントとして刺繍を入れるのですが、少し刺繍が入るだけで見違えるほどよくなります。京友禅にはこの手法がよく使われます。
そう言う体験学習でした。
本当は「素ぬい」と言って刺繍だけで文様表現をするのが良いのですが、時間的にも物理的にもそれが出来ません。そのような機会はいずれ体験することにしましょう。
下の画像は名古屋帯
桜に兎がいるのですが、白地に白い兎で地色になじみすぎていましたので、「すがぬいの変形」
で生地との差を付け兎の輪郭をピンクで「まついぬい」
目がくっきりするように濃い赤を入れました。
下の画像は名古屋帯
梅にクロネコが2匹、向こうを向いて仲良く並んでいます。
深紅の蝶ネクタイとピンと張ったヒゲが印象深いです。
梅の輪郭は黒糸で組ぬい雄しべと菱形のの白は「すがぬい」
黒猫の近くの黄色い梅の輪郭は「まついぬい」
下の図は名古屋帯
花半月のゆりかごに兎が一匹
菊模様の花を友禅の差し色で刺繍をして、兎は目だけ刺繍しました。
これだけの刺繍ですが大変良くなりました。
時間的にかなり厳しいものがありましたが、全員がなんとかやり遂げることが出来ました。
糸を撚り、両手を使っての日本刺繍はなかなか大変なものがあったようにおもいます。
それでもこうして出来上がるところに「ものつくり」の良さがあります。
完成した帯やきものは着装できます。皆さんの着姿を見てみたいものです。
そしてこの帯やきものはいつまでも残ります。