序章 花と水によせて
あめの色のそら
やわらかい空気中を歩く
聞こえるのは水の音
赤い花は夢心地
ピンクの花が落ちている
雨のため息が聞こえる
花は隅々まで 水を含んで
冷たく透き通る
香りは息を潜めて
空気はかすんで
緑は潤って なんだか不思議
水は全てに染みていく
優しさが増して
体の中に溶けてくる 雨の日曜日