刺繍糸は無撚糸(縒り(より)が掛かっていません)です。
21デニール(21デニールは蚕の出した糸6本~7本)
12本合糸で綛糸(かせいと)一本です。
縒りが掛かっていませんから艶があって綺麗です。
刺繍をした状態は、織り組織(布)の上に
刺繍糸が乗っています。
摩擦に弱いのが刺繍の欠点です。
この欠点を克服する為に縒り糸を使います。
綛糸を割り、足したり引いたりしながら
必要な太さの糸を作ります。
長さ360cm程の糸を2分の1にし、片方をくわえ、
両手の平をこすり合わせて糸を縒るわけですが
この時だけは1200年も前と
少しも変わっていないことを実感します。
刺繍糸は60cm程で切り使いします。
私は縒り棒を使い、手の内側をこすり合わせて糸を縒る場合と
道具を使い糸を縒る場合とを使い分けています。
左側の大きな糸より器ですが、
同じ糸を大量に使う時にこの縒り機を使います。私は8mの長さを(場所が広ければもっと長い糸が縒れます)一度に3本縒れるように工夫しました。カウンターをつけていますので、より加減は同じものが出来上がってきます。
右側の小さな糸より器は、
「アトリエ森繍 特製の糸より器」です。
販売もしますのでお問合せ下さい。
教室を開いて以来、糸が上手に撚れないという相談が多く、なんとかならないものか...と考え出した、アトリエ森繍オリジナルの糸撚り機です。
この道具を使えば、初心者の方でも簡単に、何度、撚っても同じ撚り加減の糸を撚ることができます。ブログ「日本刺繍ときものつながり」にて、糸撚り機の使い方を簡単に紹介しています。
技法に合わせて、デザインに合わせて 表現に合わせて 糸の太さを変え「より」加減を変えるのです。
両の手をこすり合わせて「糸をよる」のですが、これがなかなか曲者で、何本よっても同じより加減で仕上げるには相当の経験がいるのです。
このヨリ加減を揃えることが 出来上がりの「綺麗さ」に連動しているのです。 ここが、この「より」の厄介なところなのです。
糸の太さは、デシテックスもしくはデニールという単位で表せます。ただ天然繊維である絹は、合成繊維のように端から端まで同じ太さが続く糸ではなく、ばらつきがあるので、「21デニールを中心とした太さ」という意味で「21中(なか)」と表わします。糸の撚りは、まず最初に「下撚り(したより)」を行い、次にその反対方向に「上撚り(うわより)」を行います。二度の撚りを行うことにより、撚りのバランスを整えます。糸の撚り方向は上撚りで表わします。「21中4×3(Z)」という絹糸は、21デニールを中心とした太さの生糸を、4本合わせて右(S)方向に下撚りし、それをさらに3本合わせて左(Z)撚りで上撚りをしているという事です。
(独立行政法人農畜産業振興機構シルク情報ホームページより)
右の図は 撚り糸各種 です。
桂より 金糸の杉より 銀糸の杉より
あまより 太いより 細いより などです。
涼しいを通り越して寒い、あわてて靴下をはいた。
おそらく13番だろうと思うが、
「成虫」になった、「蛾」になったのである。
「桑の葉があるところから何処へもいかない」と言う習性を
何千年もかけて作り上げたので
蓋のない紙箱で飼っていた。
昨日掃除をしようと物をのけたら、
蛾が卵を産んでばたばたしていた。
30cm上に黄色の抜け殻になった繭があった。
他にも成虫になった繭があるのだろうか。
えらいこっちゃ!!!
「蛾」と言うと不気味な印象があるが、
この「蛾」は色といいプロポーションと
いい顔の小ささといい安室みたいで可愛い。
(あんなに黒くはない)
2009年10月5日
一粒の大きさは1mmの半分くらい。これだけで100個以上。
すくすく葉を食べて大きくなっていきます。
脱皮をくり返し大きくなっていきます。
緑がかった大な身体が茶色がかった透明な身体になり、箱の角に行き糸を吐きます。上に行ったり下に行ったりしながら、気に入った場所で繭作りです。
繭になりかけたので「蛾」になる前に収穫。これを合糸して「糸」にするのですが、素人の私には無理な作業です。
繭から孵化した「蛾」