蚕の出した綛糸の艶
糸の太さも より加減も 自由自在に

刺繍糸は無撚糸(縒り(より)が掛かっていません)です。
21デニール(21デニールは蚕の出した糸6本~7本)
12本合糸で綛糸(かせいと)一本です。

縒りが掛かっていませんから艶があって綺麗です。
刺繍をした状態は、織り組織(布)の上に
刺繍糸が乗っています。
摩擦に弱いのが刺繍の欠点です。
この欠点を克服する為に縒り糸を使います。
綛糸を割り、足したり引いたりしながら
必要な太さの糸を作ります。
長さ360cm程の糸を2分の1にし、片方をくわえ、
両手の平をこすり合わせて糸を縒るわけですが
この時だけは1200年も前と
少しも変わっていないことを実感します。
刺繍糸は60cm程で切り使いします。
私は縒り棒を使い、手の内側をこすり合わせて糸を縒る場合と
道具を使い糸を縒る場合とを使い分けています。

糸より機

蚕日記2009年8月23日~2009年10月5日

涼しいを通り越して寒い、あわてて靴下をはいた。
おそらく13番だろうと思うが、
「成虫」になった、「蛾」になったのである。
「桑の葉があるところから何処へもいかない」と言う習性を
何千年もかけて作り上げたので
蓋のない紙箱で飼っていた。

昨日掃除をしようと物をのけたら、
蛾が卵を産んでばたばたしていた。

30cm上に黄色の抜け殻になった繭があった。
他にも成虫になった繭があるのだろうか。
えらいこっちゃ!!!

「蛾」と言うと不気味な印象があるが、
この「蛾」は色といいプロポーションと
いい顔の小ささといい安室みたいで可愛い。
(あんなに黒くはない)

2009年10月5日

日本刺繍の技


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